最高のコーチとは何か?この問いに対する一つの答えが、愉しむことだと考えています。
ここで言う「愉しむ」とは、ただ楽しい雰囲気をつくることではありません。主体的に関わり、観察し、味わい、そこから学びを引き出す姿勢のことです。
だからこそ、こう言えます。最高のコーチとは愉しむこと。
子どもたちが主体的になれば、コーチは「必要以上に」要らなくなる。

「1対1になったら、勝負しないわけにはいかない。なぜなら俺はドリブラーだからだ」
ルイス・フィーゴのこの言葉には、ドリブラーの本質が凝縮されています。
1対1は、サッカーの中で最も個が問われる瞬間です。逃げることもできるし、パスを選ぶこともできる。それでもフィーゴは「勝負する」と言い切りました。そこには、自分の役割と責任を理解した選手の覚悟があります。

ドリブラーとは、単に技術が高い選手ではありません。相手と正対し、駆け引きをし、その局面を自分が引き受ける存在です。テクニコドリブルクラスで大切にしているのも、この勝負を引き受ける力。思考を整理し、身体を準備し、勝てるポイントで仕掛ける。
1対1を避ける選手ではなく、1対1を楽しめる選手へ。フィーゴの言葉は、ドリブルに向き合うすべての選手へのメッセージです。
ヨハン・クライフが残したこの名言を知っていますか?
「正しいポジショニングは一瞬だけ。そこにいなければ、早すぎるか遅すぎるかだ。」この言葉が示しているのは、単なる位置取りの話ではありません。それはまさに、「いまここ」に存在する感覚を研ぎ澄ますことの大切さです。
サッカーにおいて、いいポジションにいようとする選手は多いですが、そこにい続けようとするあまり、ボールの流れや相手の動きを見失ってしまうこともあります。しかし、ポジショニングとは「一瞬の判断と到達」の連続。だからこそ必要なのは、空間認知力や時間感覚、そして状況判断力。
これは、決してセンスだけで終わらせていいものではなく、意識と反復練習によって磨くことができるスキルです。
タイミングが1秒違えば、フリーだったはずのスペースは閉ざされ、得点チャンスも失われます。
選手たちには、この「一瞬」に意味を込めて動けるようになってほしい。そのためにも、考える習慣と観る力を、日々の練習から育んでいきましょう。
