背が低いのですが大丈夫でしょうか?

Q、ウチの子供は同じ学年の子たちと比べても身長が低くて、試合では下の学年の子たちに混ざって出ている状態なのですが、どうしたらいいでしょうか?

A、この内容のお話よく見聞きします。今ではJリーグの下部組織のセレクションを受ける場合には保護者の方の身長を記入する項目もあるようでより敏感になっているようですね。特に身長が低いほうの部類に入る子は晩成のタイプの子が多く、この育成年代だと埋もれてしまう傾向にあります。具体的にはトレセンに入れなかったり、Jの下部組織にもセレクションで落ちたりとか、それで悩んだりするだけでなく、サッカーをやめてしまうケースも耳にするのは残念ですね。

そのような悩みをお持ちの人に覚えておいてほしいのは、ヨーロッパなどでは当たり前になってきている生物学年齢、それは身体の成熟度がどれくらいかを診断して割り出された年齢のことです。

我々が通常用いているのは生まれてから経た年齢である暦年齢で、この場合例えば小学4年生でも大人のような体格をしている生物学年齢でいえば12歳の子どもと生物学年齢8歳とが同じ土俵に立っていることになります。この場合はその差は4歳、つまりはU-10の試合に6年生と2年生が一緒に試合をしていることになります。

まずはこのことを理解していただきたいと思います。

それではサッカーの先進国ではどのように対応しているかと言いますとそれぞれの生物学年齢に合ったカテゴリーで活動をしています。有名な話なのですが、オランダのアヤックスに同じ年齢でクライファートとデ・リフトという二人の優秀なプレーヤーがいました。ただ、クライファートは生物学年齢15.6歳、デ・リフトが17.3歳だったことから、15歳のときにクライファートはU-16のチーム、一方のデ・リフトはU-17チームに割り振られました。

ですがその後クライファートは17歳の時に急激な成長を遂げてトップデビュー、デ・リフトは順調に成長を遂げて同じく17歳でトップデビューを果たしました。そして現在はクライファートがローマ、デ・リフトがユベントスでプレーしています。

日本の育成組織ではまだまだこのようなことは実現できませんが、少なくても生物学年齢という言葉と今の結果に一喜一憂しないことが重要だということを理解していただければと思います。