2018FIFAワールドカップのテクニカルレポートを元に様々な議論がされている。そこには数字で指し示す根拠となるべき部分があって見聞きしているだけも充分楽しめる内容だった。
優勝したフランス代表はもちろん大会全体を振り返ってみても以下の3つが特徴的だったといえる。
コンパクトネス
カウンターアタック
セットプレー
コンパクトネス
途中で出てくる数字、一番遠いサイドの選手との距離が33メートル、最後尾の選手から最前線の選手との距離が22メートル、ゴールラインから最後尾の選手までの距離は21メートルとなっている。
ただ、フランス代表の最後尾から最前線までの選手間の平均距離は24メートル、参加国の平均も26メートルだった。これで分かることはライン間が存在しないということ、そしてペナルティエリア外からのシュートは極めて決まりにくくなることである。
カウンターアタック
優勝したフランス代表は全7試合において相手よりポゼッション率が低かったという事実は、グリーズマンやムバッペのような高速カウンターを可能にする選手をメンバーに入れたこともうなずける。加えてフランスのフィニッシュの精度は9.8本中1得点の大会平均に比べ6本中1得点という驚異的な数字をたたき出している。
ボールを失ったときが最も弱く脆いときであり、それはその瞬間所定のポジションにはいないし、不安定で選手間にギャップが生まれるからである。
セットプレー
この大会でフランスがセットプレーから奪ったゴールは全14ゴール中5ゴール、大会全体では29回のコーナーキックから1点、それは2010年大会時は61回中1点だったことからも効率が格段に上がったのがよく分かる。
これはVAR導入によりセットプレー時の守備のときに体でブロックすることが難しく、より慎重にならなくていけなくなったことも大きく起因している。
とここまでは2018年ワールドカップのテクニカルレポートから主な部分の抜粋だったが、また時間があるときに今後のトレンドについて書いてみようと思っている。