サッカーではよく、
「周りを見よう」
「顔を上げよう」
「首を振ろう」
と言われます。
もちろん周囲の状況を把握するためでもありますが、もう少し深く考えると、「目を動かすこと自体が、脳を働かせるきっかけになる」という視点があります。
人間にとって、目は非常に大きな情報の入り口です。
目を動かして何かを捉えようとすると、ただ視覚情報を受け取るだけではありません。「あれは何だ?」「どこにある?」「動いている?」「次はどうなる?」と、脳もその情報を処理しようと働き始めます。
つまり、
目が動く。
情報が入る。
脳が動く。
そして、身体が動く。
この流れはサッカーにも非常に重要です。
ボールだけを見続けている選手と、ボールを見ながら味方、相手、スペース、ゴールまで視線を動かしている選手。同じ場所に立っていても、頭の中に入っている情報量はまったく違います。
そして重要なのは、単に「たくさん見る」ことではありません。
遠くを見る。近くを見る。左右を見る。一瞬だけ見る。必要なところに焦点を合わせる。そして再びボールへ視線を戻す。
視線を切り替えることは、注意を切り替えることでもあります。
状況が目まぐるしく変化するサッカーでは、この切り替えがプレーの速さにもつながります。
だからこそ、スクールでも「首を振った回数」だけを求めるのではなく、何を見るために目を動かしたのか、その情報を次のプレーにどうつなげたのかを大切にしたいと思っています。
良い判断をするためには、まず良い情報を集めなければならない。
認知→判断→実行。
その最初の「認知」を動かすスイッチのひとつが、目なのかもしれません。
足だけを動かすのではなく、目を動かす。
目が動けば、脳が動く。
脳が動けば、プレーの選択肢が増えていく。
サッカー選手にとっての「見る力」は、技術と同じように育てていきたい大切な能力です。