県西校の通常クラスでは、ボディフェイントを使った1対1の突破をテーマにトレーニングを行いました。
ドリブルで相手を抜くために大切なのは、派手な足技をたくさん覚えることではありません。
本当に重要なのは、相手の重心を動かすことです。
ボールだけを動かしても、守備者は簡単には反応しません。しかし、肩や頭、腰の向きなど、身体全体で「こっちへ行く」と思わせることで、相手は無意識に一歩踏み出します。
その一歩こそが最大のチャンスです。
相手の重心が動いた瞬間に反対方向へ運べば、スピードやパワーで勝っていなくても突破できる場面は多くあります。
これはまさに「後出しジャンケン」の考え方です。
最初から自分のプレーを決めつけるのではなく、相手がどちらへ動いたかを見てから、その逆を選ぶ。
相手を見て判断するからこそ、有利な状況を作ることができます。
つまり、ボディフェイントとは「相手をだます技術」ではなく、相手の判断をコントロールし、自分に有利な状況を生み出す技術なのです。
トレーニングでは、ただフェイントの形を覚えるのではなく、
「相手は今どちらに体重が乗っているか?」
「どのタイミングなら逆を取れるか?」
「相手が動いてから、自分はどう反応するか?」
といった、「観る力」と「待つ力」も意識してもらいました。
ここには、日本古来の考え方である「柔よく剛を制す」にも通じるものがあります。
力と力をぶつけ合うのではなく、相手の力や動きを利用して勝つ。
身体が小さくても、足が速くなくても、相手の重心をコントロールできれば主導権を握ることができます。
だからこそ、育成年代では「強引に突破する」ことよりも、「相手を見て、相手を動かしてから突破する」ことを身につけることが大切なのです。
サッカーは、自分一人でプレーするスポーツではありません。
相手がいるからこそ、その動きを観察し、判断し、最適なプレーを選択する。この繰り返しが、本当の意味での技術につながります。
Y.S.S.県西校サッカースクールでは、ドリブルの技術だけではなく、認知・判断・実行を一体として育てています。
相手の逆を取れる選手は、力で勝つ選手ではなく、頭で勝てる選手。
後出しジャンケンのように相手を見て判断し、柔よく剛を制すように相手の力を利用する。
そんな賢く、しなやかな選手を、これからも育てていきたいと思います。